スポットエピソード:聖輦船

ハコニワのスポットエピソード「聖輦船」の会話です。

聖輦船

空飛ぶ危険思想

キャラ セリフ
空き地
魔理沙  なあ、霊夢? 結構ユメミタマも浄化したし、そろそろ大物が出現してもいい頃だと思わないか?
霊夢   そうねぇ。どうせなら神社の宣伝になりそうな、御神木とか現れてくれるといいんだけど。
                                           
(軋むような音)
霊夢   ……影? 大きい雲でも……って、違う! 雲じゃない! あれは……、船!?
魔理沙  幻想郷で船って言ったら、聖輦船か!? 確かに大物といえば大物だけど……。
                                           
(軋むような音……聖輦船が通り過ぎる)
霊夢   んん? 聖輦船が飛んでるって変じゃない? 前の騒動の後、船はお寺になったはずよね。
魔理沙  そうだよな。出現するなら、お寺でいいよな? わざわざ空飛ぶ船からってことは、あれか?
霊夢   再上映異変? でも前の騒動は異変じゃないわ。命蓮寺の住職さんを、助けに行っただけで。
魔理沙  聖白蓮、だな。 封印はされてたけど、実際は親切だし、いいやつだったよ。
霊夢   ということは、再上映しても別に問題ないし、今回は行かなくても、いいんじゃない?
(誰かが走ってくる)
早苗   霊夢さんに、魔理沙さん! なんであの船をのんびり見送ってるんですか!?
霊夢   早苗じゃない。あれなら問題ないわよ。というか、なんでそんなに慌てているのよ?
早苗   慌てるに決まってますよ! ほら、見てください! 帆に書かれてる文字!
魔理沙  帆の文字? 前と同じなら「宝」だろ? ……んん!? なんだあれ!?
霊夢   「集え妖怪! 人間は家畜!」ですって!? 前とは全然違うじゃないの!?
早苗   明らかに変でしょう! だから、急いで追いかけてきたんですよ!
魔理沙  白蓮は、人と妖怪の共存が理想って言ってたろ? あれじゃ、妖怪だけの味方じゃないか。
霊夢   なーんか嫌な予感がしてきた……。とにかく追いかけるわよ!
魔理沙  だな。直接行って、聞いた方が早い。問題なさそうなら、宝も持って帰るぜ!
早苗   問題だったら妖怪退治です! 急ぎましょう! 聖輦船を見失ってしまいます!

青空に紅い傘

キャラ セリフ
幻想郷:上空
霊夢   前と同じで、ずいぶん高い所を飛ぶわね。そういえば、この辺で唐傘が出なかった?
早苗   ああ、出てきましたね。覚えてますよ。なんか茄子みたいな、古い唐傘でした。
???  私の日傘はセンスにあふれている。そんな品のない傘と、一緒にしないでくれる?
(レミリア登場!!1)
魔理沙  レミリアだって!? なんでお前がここに?
レミリア 決まっている、白蓮様に歯向かおうとする、愚かな人間どもを捕まえてやろうと思ってね。
霊夢   白蓮様って……、え? あんた出家したの? いやいや、そんなまさか、あのあんたが?
レミリア 集え妖怪、人間は家畜……。胸に響く言葉ね。人間が家畜になれば、血を吸う人間は選び放題。
レミリア 私は嬉しいし、血を用意する咲夜も楽になる。 白蓮様の考えは素晴らしいものだわ。
魔理沙  白蓮様って……、お前はそんなキャラだったか?
レミリア 私が上に立つよりも、よい運命が見えただけよ。そして、あなたたちにとってもね。
レミリア このレミリア・スカーレットが、あなたたちに家畜の使命を授けてあげる……!
早苗   あのー、水を差して申し訳ないのですが、レミリアさん、なんか汗すごくないです?
魔理沙  ああ、見てるこっちが暑くなる。もしかして日傘だけじゃ、日光を防げてないな?
霊夢   ま、弱ってても容赦はしないけど。
霊夢    (レミリアに詰め寄る)
レミリア こ、この程度の日光……、あ、お願い待って!? 日焼け止めを増やせば大丈夫……、ふぎゃあ!?
                                           
(霊夢の容赦ない攻撃が、日光で弱ったレミリアを襲う)
レミリア 午前中の活動は無理よ……。白蓮様ああぁ……。
レミリア  (墜落)
霊夢   よし、悪は去った! 先を急ぐわよ!
魔理沙  その辺の妖精より弱かったな。しかし、レミリアがおかしくなるとは……。
早苗   簡単には行きそうにないですね。気合を入れていきましょう!

早苗、目覚める

キャラ セリフ
聖輦船:甲板
霊夢・魔理沙・早苗 (到着する)
霊夢   よし、なんとか船に追いついた! けど、どうなってんのよこれ!?
霊夢   牢屋とか手枷みたいなのがたくさん。しかも、所々血生臭いような……。
魔理沙  もしかして、人間の血だったりしてな。いかにも悪者って感じじゃないか。
早苗   気をつけてください!妖怪が集まってきてます!
(妖怪たちが霊夢たちの元へ集まってくる)
妖怪A  ゲヒヒ……、人間。家畜が自分からやって来た!
妖怪B  白蓮様に捧げよ。人間は家畜……!
霊夢   ちょ……、なんなの、この数!? いくらなんでも多すぎよ!
???  やはりお前たちが来たのか! 予想通りだな!
霊夢   この声……、正邪! まさかあんたも、白蓮様とか言うわけ?
正邪   警戒していてよかったよ。 白蓮様復活の、最大の障害はお前らだからな!
魔理沙  あいつも白蓮教か。あの僧侶、信者の選び方を間違えてないか?
正邪   白蓮様の理想は、弱い妖怪が救われる世界! 私も臨む世界なら、喜んでお供するね!
(正邪の元に沢山の足音が近づいてくる)
(正邪の背後に多くの妖怪が集まる)
正邪   さあ、お前らでも、この数には勝てまい!妖怪の同胞諸君! 奴らを押しつぶせ!
早苗   ここは私がやります! これが奇跡の神風です! 妖怪は吹き飛びなさいっ!
(強風が吹き荒れる)
妖怪A  ぎゃあ!? 吹き飛ばされる!
(妖怪たちが吹き飛んでいく)
早苗   ああ、快感……! 前の時もそうだったけど、妖怪退治って、楽しい!
魔理沙  ……おーい、早苗?
正邪   ふぎゃあっ! あれだけいた妖怪が、一瞬で!? くそっ、なんてやつ! ここは一旦逃げて……?
早苗   あ、リーダーが残ってるじゃないですか! まだ退治できますね!
(早苗は笑顔で正邪に詰め寄る)
正邪   や、やめろ!笑顔でこっちに来るな!? た、助け……、ぐわあああ!?
                                           
(早苗の容赦ない攻撃が、逃げ腰の正邪を襲う)
早苗   ふー、すっきりした! やはり妖怪退治は、いいものですね!
魔理沙  早苗って、たまにぶっ飛んでるよな……。
霊夢   まあ、妖怪が退治されたなら、なんでもいいわ。
正邪   く、くっそー……。だけど、あがいても無駄だ! 白蓮様復活の準備は整ってるんだからな!
(正邪が走って逃げる)
早苗   ああ、行っちゃった……。もっと退治したかったけど、先に行きましょう。
魔理沙  なんで幻想郷にいる巫女は、みんな血の気が多いんだ?
霊夢   あ? なにこっち見てんのよ?
魔理沙  いーや、なんでもないぜ。

漆黒船長の暗黒客船

キャラ セリフ
聖輦船:船内
霊夢   暗いわね……。ユメミタマの気配も強まっているし、いよいよ核心ってところかしら?
早苗   ということは、強い妖怪がいるんですね! さあ、次はどんな妖怪が来るんです!?
???  ほう……? やたら大きなネズミと思えば、ずいぶんと威勢のいいエサが忍び込んだものだ。
魔理沙  鮮度抜群、実力十分な人間だぜ。早く姿を見せたらどうだ?
(誰かが歩いてくる)
村紗   生意気な……。だが、よいだろう。我が名は、血海を逝く漆黒船長キャプテン・ダークムラサ!
霊夢   あ、あんた、村紗水蜜よね……?船もあんたも、どうしちゃったわけ?
村紗   ……聞こえなかったか? 我が名は、血海を逝く漆黒船長キャプテン・ダークムラサ!
霊夢   いや、それはもういいわ……。それより、船の行き先がどこなのか教えてよ。
村紗   礼儀を知らぬ野蛮な人間め。名前を呼んで挨拶、常識だ。
霊夢   ぐぐぐ……、妖怪に常識を諭された。でも、口にできないわよ! そんな恥ずかしい名前!
村紗   ならば答える義理はない! しょせんは家畜。礼儀を求めたのが間違いか……。
霊夢   ……待ちなさいよ! い、言えばいいんでしょ。け、血海を逝く漆黒船長……、キャプテン……。
村紗   ダメだな。声が小さい。それともう一つ、人と話すときは目を見て話せ。失礼に当たるぞ。
霊夢   この……、恥ずかしい名前のくせして正論を!というか、早苗も助けなさいよ!?
早苗   私は言えますけど……、今の霊夢さん面白いし。一回言えそうだったんだし、頑張ってください!
霊夢   無理! あれだけで鳥肌立ってんのよ!? 大きい声でなんて、絶対に無理だわ……!
魔理沙  私は、いいと思うんだがなぁ。キャプテン・ダークムラサ。かっこいいじゃん。
霊夢   ……え、マジで?
早苗   魔理沙さん、無理してないです?
魔理沙  いや、本当だって。私は好きだぞ、血海を逝く漆黒船長キャプテン・ダークムラサ。
村紗   ……お前、名前は?
魔理沙  私は、霧雨魔理沙だ。よろしくな。血海を逝く漆黒船長キャプテン・ダークムラサ!
村紗   霧雨魔理沙……、いい名だ。お前はさしずめ、霧雨の観測者ミストラルマジシャン・マリサか。
村紗   よし、ミストラルマジシャン・マリサ。お前にならば語ろう。
(血海を逝く漆黒船長キャプテン・ダークムラサ と 霧雨の観測者ミストラルマジシャン・マリサ は連れ立って歩いて行った)
霊夢   い、今だけは、魔理沙が頼もしく見えるわ……。
早苗   ですね……。なんだろう、すごくかっこいいです……。

黒い蓮の目覚め

キャラ セリフ
聖輦船:船内
魔理沙  さて、それじゃあ質問させてもらうぞ。血海を逝く漆黒船長キャプテン・ダークムラサ。
魔理沙  聞きたいことはたくさんあるが、あんたの主は、聖白蓮で間違いないのか?
魔理沙  私の知ってる白蓮とは、かなり違う思想を持ってるようなんだが……。
村紗   ああ。……主は、妖怪のために尽力されていた。だが人間どもによって、封印されてしまったのだ。
霊夢   当然よね。人間は家畜、なんて言っているんだし。
村紗   お前にはわかるまい。人間にすら勝てぬ、か弱き妖怪もいるのだ。
村紗   主は、そんな妖怪たちを助けてくれた。私も主に手を引かれ、今ここにいる。
早苗   船長さんが白蓮さんを慕う点は、同じですね。
村紗   あの方は、すべての妖怪が救われる世界を目指しているのだ。
村紗   ミストラルマジシャン・マリサ。共に来ないか?お前ならば、私たちの考えを理解できるはずだ。
魔理沙  そうだな。大事な人のために頑張ることと、あんたのネーミングセンスは嫌いじゃないぜ。
魔理沙  だけど、人間を家畜にするってのは理解できない。話を聞く限り、私の知ってる白蓮じゃない。
魔理沙  漆黒船長。悪いが、あんたの同志にはなれない。あんたの信じる聖白蓮の復活は、ここで止める!
村紗   ミストラルマジシャン・マリサ……。惜しいな。場所が違えば、運命の出会いとなったであろう。
魔理沙  安心しな。全部元通りにしてやるさ!
霊夢   ねえ、もう全部魔理沙に任せてよくない?
早苗   そうですね、任せましょうか。
村紗   しかし、もう遅い! この船は、魔界に着いた!我らの主が、ここに顕現される!
(船が大きく揺れ出す)
魔理沙  な、なんだ!? 船が揺れる!?
???  あーっはっはっは!
霊夢   今の声は……外からね、出るわよ!
霊夢・早苗 (甲板に向かう)
                                           
霊夢・早苗 (甲板に出る)
霊夢   外の景色が変わってる……!本当に魔界に向かっていたのね。
早苗   霊夢さん、あれ! 空から、人が降りてきます!
(空から降りて来た人が甲板に着地する)
聖    ああ、妖怪の世界に、光が満ちる……!

復活の摩天楼

キャラ セリフ
聖輦船:甲板
聖    私の封印を解いたのは、あなたですね? ありがとう。再び外の世界へと出られました。
村紗   礼など必要ありません。主の復活は我が喜び。お姿が見られただけでも、私は嬉しいのです。
聖    では、そこにいる人間たちも、あなたが用意を? 復活祝いの食事に三人とは、豪勢ですね。
霊夢   ずいぶん変わったじゃない?妖怪と人間の共存は、どうしちゃったのよ?
聖    妖怪と人間の共存? 面白いことを言いますね。あり得ません。妖怪が人間に手を差し伸べるなど。
聖    私は人であった頃、若返りを求めて、弱い妖怪の力を利用してしまった。
聖    ですが、その時、妖怪たちの中にも、静かに生きようとする者がいると知りました。
魔理沙  ここまでは、私も聞いたことがあるが……。
聖    私は反省するとともに、疑問を持ちました。優れた力を持つ妖怪が、なぜ虐げられているのか。
聖    妖怪こそ、畏れ敬われるべき存在ではないか。人間は、妖怪にその身を差し出すべきでは、と。
霊夢   確かに、人間にもよくない人はいる。でも、すべての人間を家畜にするのは違う!
霊夢   これではっきりした。あんたが再上映の核なら、ここで浄化する!
村紗   主に手を出すなら、黙ってはいられん!
早苗   ダンマクカグラの邪魔はさせませんよ!
魔理沙   (飛んでくる)
魔理沙  悪いな漆黒船長! あんたのイカリは上げさせないぜ!後は任せたぞ、霊夢!
聖    私たちに敵対しようと言うのですね。いいでしょう、この私……。
聖    魔性の黒雪月花、ダークロータスが相手です!いざ、南無三!
霊夢   あんたもか……。そのダサい名前ごと、元に戻してやるわ!

実はその気があった僧侶

キャラ セリフ
聖輦船:甲板
霊夢   よし、浄化完了! これで今回の再上映も終了ね!
早苗   んー。妖怪退治もできて、大満足です!
(誰かが歩いてくる)
聖    うう……私は、いったい何を? なぜ聖輦船に?
村紗   うーん、なんか、すごく悪い夢を見てた気がする……。
魔理沙  夢だったらよかったんだけどな。実は、こういうことがあって……。
                                           
魔理沙  ……と、いうことなんだ。全部決着はついてるし、もう心配しなくていい。
聖    私が、そんなことを……。
村紗   ダ、ダークムラサ……!?
魔理沙  ああ、私は好きだったぞ。血海を逝く漆黒船長キャプテン・ダークムラサ。
村紗   やめて! その名で! 呼ばないで! 絶対に! もう恥ずかしすぎて、船から出られない……。
村紗    (勢いよく走り出す)
魔理沙  行っちまった。本当に悪くないと思ってるんだが……。
聖    普段しないことを、たくさんしたようですね。私も、まさか自分の口からそんな言葉が……。
早苗   悪いのは、ユメミタマですから……。
聖    魔性の黒雪月花、ダークロータス……。 ……結構、素敵じゃないですか?
魔理沙  は……、はい?
聖    ちょっと悪に寄りすぎだけど、センスはいいわ。現実でも名乗ろうかしら、ライトロータスとか。
魔理沙  お、いいじゃん! なら、もっと盛ろうぜ!聖人君主ライトロータス! とかさ!
霊夢   やれやれ。ネーミングセンスがいかれてるのも、全部ユメミタマのせいならよかったのに……。
1)
額に汗を浮かべながら