ハコニワのスポットエピソード「人間の里」の会話です。
キャラ | セリフ |
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人間の里 | |
魔理沙 | いや~、人里が復興したって聞いて、すぐ飛んできたけど……。 |
まさか、こんな閑散としているとはな。買えたのは、この団子ぐらいだし、来るのが早すぎたか……ん? | |
……なんだ? あそこだけ人が集まってる? ちょっと見に行ってみるか。 | |
魔理沙 | (人だかりに足を運ぶ) |
霊夢 | こんな時こそ神頼み、神頼みはいかかですかー? ご参拝やご祈禱は、どうぞ博麗神社に! |
復興祈願はもちろん、開運招福。工事安全。ユメミタマ除けに至るまで、私が請けお……うっ!? | |
早苗 | (霊夢を押しやる) |
早苗 | いやいや、ご参拝なら、守矢神社がおすすめです。ロープウェイで往復楽々。しかも……わわ!? |
聖白蓮 | (早苗を押しやる) |
聖白蓮 | 皆の心が荒んでいるわね。こんな時に必要なのは、やはり仏の教えでしょう。 |
さあ、近くにおいでなさい。ありがたいお話とお経を教えてあげま……あっ! | |
神子 | (聖白蓮を押しやる) |
神子 | まったく、君たち何もわかっていないな。人を救うのは、神でも念仏でもあるまい。 |
人に希望を与えるもの、それすなわち私だ。さ、遠慮なく崇めるといい。さすれば必ず救われ…… | |
霊夢 | (神子を押しやる) |
霊夢 | ああもう! 後から後からなんなのよ? ここの信仰はうちのもの。新参者はすっこんでなさい! |
魔理沙 | うわ~、信仰心取り合い合戦だったか。どっかでも見た光景だが、関わるだけ面倒だ。 |
私は、この団子を一人悠々と食うことにする! いただっきま~…… | |
(何かが飛んでくきて団子を吹き飛ばす) | |
……は? | |
早苗 | (弾幕を放っている) |
もー、こうなったら全員倒します! 守矢神社の存続には、信仰心がいるんですから! | |
神子 | 損得勘定で動くなんて、それでも神職か? やはり、君たちに人の救済は荷が重いようだな。 |
霊夢 | か~え~れ~っ! |
魔理沙 | お前ら・・・・・・。 |
よくも私の団子を! 全員出ていけ! 恋府「マスタースパーク」!! | |
霊夢 | ちょっ・・・・・・!? なんでこうなるの~っ! |
魔理沙 | おい。お前らもお前らだぞ! |
里の人間 | は、はいっ? |
魔理沙 | シュンとしてるから、ああいうのが来るんだ。もっとシャキッとして、人間の強さ見せてやれ! |
私も、復興の応援はするからさ。・・・・・・それじゃ、またな! | |
里の人間 | ・・・・・・う~ん、そうだなあ。まずはできるところから、地道にやっていくかぁ。 |
霊夢 | うう・・・・・・、魔理沙め。今度こそ、神社に山ほど信仰心を集められると思ったのに・・・・・・。 |
聖白蓮 | な、南無三・・・・・・。 |
キャラ | セリフ |
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人間の里 | |
??? | (ざわざわ) |
咲夜 | お砂糖。紅茶。毒蛇の牙に、ガマの黒焼き・・・・・・。うん、必要なものは、全部買えたみたいね。 |
森近 霖之助 | やあ、咲夜。買い出しかい? |
咲夜 | あら、香霖堂の。ええ、復興が進んだおかげで、買い物が楽で助かっているわ。でも・・・・・・、 |
??? | (ざわざわ) |
ここ、平和過ぎませんか? ユメミタマが現れて、人間を襲う脅威は増えたはずなのに・・・・・・。 | |
森近 霖之助 | ああ、それなんだけどさ。実はここ、最近、ユメミタマがまったく現れないらしいよ。 |
復興当初は見かけたのに、なんでだろうね。ちなみに僕は、ユメミタマ失踪事件って呼んでいる。 | |
咲夜 | ・・・・・・人間の里にだけ、ユメミタマが出ない? それは、興味深いですね。 |
もしも理由がわかれば、紅魔館からもユメミタマを追い出せるかもしれない。・・・・・・よし。 | |
この事件の謎、私が解いてみせましょう。さあ。さっそく、二人で聞き込みに行きますよ。 | |
(聞き込みに向かう) | |
森近 霖之助 | ・・・・・・え、僕も? って、もういないし・・・・・・、仕方ないなぁ。 |
(咲夜についていく) | |
里の人間 | あのたまなぁ。憑かれると人が変わっちまうし、子供たちは怖がるしで、厄介だったんだが・・・・・・。 |
いつのまにか、すっかり見なくなっったなぁ。おかげで助かってるけど、理由は知らないねぇ。 | |
魔理沙 | よう、香霖! 今から蕎麦食べにいくけどお前も・・・・・・ユメミタマ失踪事件? なんだそれ? |
慧音 | その件については、私も調べているところだ。見回りを強化しているが、原因は掴めていない。 |
夕暮れ時 | |
猫 | にゃーん。 |
咲夜 | にゃーん? |
森近 霖之助 | ・・・・・・咲夜さん、もしかして飽きてきてる? |
あたりが暗くなったころ | |
咲夜 | 一日中聞き込みして、手掛かりはなし・・・・・・か。この事件、思ったより単純じゃないのかしら。 |
森近 霖之助 | それより、ちょっと疲れたな、僕は。もう遅いし、そろそろ解散にしないかい? |
探偵には、頭を休める時間も必要だろう? 彼女の手掛かりは、明日また探せばいいさ。 | |
咲夜 | ・・・・・・今、なんて言ったの? |
森近 霖之助 | ん? 探偵には、頭を休める時間も・・・・・・ |
咲夜 | 違う。その後よ。彼女の手掛かり・・・・・・、「彼女」と言ったの? |
この事件の真相に、人が関わっていること。そして、その人物が女性であること・・・・・・。 | |
どちらも、知っているはずないですよね。あなたが事件に関与していない限り。 | |
森近 霖之助 | ・・・・・・これは、うっかりしていたかな。 |
森近 霖之助 | (姿をくらませる) |
咲夜 | 消えた・・・・・・? いえ、隠れたのね? 出てきて、話を聞かせなさい! |
森近 霖之助 | この事件の真相、見つけられるなら見つけてごらん。もっとも、君一人では難しいかもしれないけどね。 |
咲夜 | ええ、見つけてみせるわ。この二つの月に誓って、必ず・・・・・・。 |
キャラ | セリフ |
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咲夜 | 前回のあらすじ。紅魔館の平和のため、ユメミタマ失踪事件を追う私、探偵咲夜。 |
しかし、調査初日の終わり。事件への関与をほのめかしたのは、助手の霖之助だった。 | |
深まる謎、孤独な決意・・・・・・。果たして探偵咲夜は、事件を解決できるのか? | |
人間の里 (夕暮れ時) | |
咲夜 | ・・・・・・なんて、ミステリー小説なら、こんなあらすじがつくところね。けど・・・・・・、 |
このままじゃ打ち切りかしら。今日ももう日が暮れるのに、なんの進展もないんだもの。 | |
(子供がぶつかる) | |
子供 | うわっ! ごめんなさい! |
あれ?おねーさん、もしかして・・・・・・。 | |
夜中の里外れ。ダンマクカグラの音が響く | |
咲夜 | こんな遅くにダンマクカグラの練習なんて、ずいぶん熱心なのね? |
・・・・・・それとも、他に理由があるのかしら? ユメミタマ失踪事件の犯人さん。 | |
??? | ぐっ! なにっ・・・・・・!? |
咲夜 | (逃げようとする彼女を追いかける) |
捕まえた。やっぱり、あなただったのね。 | |
慧音 | ちっ・・・・・・。まさか、人間に捕まるとはな。近頃、不眠で活動していた無理が祟ったか。 |
咲夜 | 上白沢慧音・・・・・・、歴史を食べる能力の持ち主。あなたはその力で、里の歴史を改ざんしたのね。 |
人間の里には、ユメミタマは出なかった・・・・・・と。影響を受けた人には、ユメミタマが見えなくなった。 | |
慧音 | その通り。そういえば、お前には一度、この能力を見せたことがあったか。 |
咲夜 | そうね。でも、まだわからないこともあるの。ユメミタマは、ただ見えなくなっただけ。 |
その脅威も、浄化する必要があるもの変わらない。さっきあなたがしていたようにね。なら、動機は? | |
慧音 | それは・・・・・・。里の人間が、ユメミタマを恐れていたからだ。 |
怯える人間たちを、見ていられなかった。だから無かったことにした。彼らの幸せのためにな。 | |
咲夜 | 幸せのため、ねぇ。それ、実現できてるのかしら? |
慧音 | ・・・・・・なに? |
咲夜 | 私があなたに辿り着けたのは、里の子供、にこう言われたからよ。 |
(回想) | 慧音先生は、最近すごく疲れてる。お友達なら注意してあげてって、心配そうにね。 |
慧音 | ・・・・・・里の子供が、そんなことを? 人間たちの前では、疲労は隠してたつもりだったが・・・・・・? |
咲夜 | 人間はか弱いけど、決して愚鈍ではないわ。あなたの犠牲から成る平和を、人は喜ぶのかしら? |
慧音 | ・・・・・・そうだな。今回は、どうやら人間に教えられたようだ。 |
数日後 | |
里の人間A | おーい、ユメミタマが出たぞー! 団扇であおいで、道の隅っこに寄せておきな。 |
里の人間B | 客の強い姉ちゃんたちに、浄化してもらおうぜ。慧音先生ばかり、無理はさせられねえからな! |
森近霖之助 | いやあ。この数日で、人は本当にたくましくなった。これも、君が事件を解決したおかげだね。探偵さん。 |
咲夜 | よく言いますねぇ。あなた、最初から私を誘導していたのでしょう? |
彼女の隠ぺい工作を、あなたは知っていた。察するに、初期には協力していたとか? | |
森近霖之助 | ご明察。ユメミタマを移動させるのに、いい道具はないかって聞かれて、少しだけね。 |
咲夜 | だからこそ、あなたは彼女の無理にも気づいた。そして、私にあえて事件の存在を教え・・・・・・、 |
わざとヒントを出すことで、真相に辿り着かせた。すべては、彼女の孤独な闘いに、終止符を打つために。 | |
どう? 私の推理、合っていたかしら。 | |
森近霖之助 | ああ。さすが、名探偵にはお見通しだな。また事件があったら、声をかけるとするよ。 |
咲夜 | うーん。まあ、たまにはいいかしら。でも、次は裏切りはなしですよ? 助手さん。 |
キャラ | セリフ |
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人間の里 | |
慧音 | 里が復興してから、本当にいろいろなことがあった。私も、色々やらかしたし・・・・・・。 |
だが、これからはいつも通りだ! さあみんな、歴史の授業を始めるぞ! | |
子供たち | えーーーーっ。 |
慧音 | な、なにっ? みんな、嬉しくないのか? 今日から、また寺子屋で毎日勉強できるんだぞ? |
子供A | それは、うれしいけどぉ・・・・・・。慧音先生の授業、つまんないんだも~ん。 |
慧音 | うっ・・・・・・。そんなことはない。久しぶりの授業は、それはもう最高に楽しい・・・・・・ |
??? | ねえ、遊ぼう? |
慧音 | ん・・・・・・? お前は・・・・・・、始めて見る顔だな。里の子か? |
まあいい。ここは、知識を学ぶ場所。遊べはしないが、興味があるなら座って・・・・・・ | |
男の子 | もーらいっ。 |
慧音 | ・・・・・・なっ? それは先生の歴史書だぞ? いけません。すぐ返しなさい! |
男の子 | じゃあ、せんせーが、最初のオニね。みんな、逃げろーっ! |
(寺子屋から出ていく) | |
子供A | なあに、オニごっこするの? |
子供B | やった! やるやるー! つかまったら、いた―い頭突きだぞー! |
子供たち | (寺子屋から出ていく) |
慧音 | お、おい、みんな行くな! 先生はやらないぞ! って、行ってしまったか・・・・・・。 |
・・・・・・しかたない。今日は特別授業だ。先生を怒らすとどうなるか、教えてやろう。 | |
慧音 | こら! 止まりなさい、そこの子供ー! |
他の子は、みんな捕まえたぞ。さあ、本を返しなさい。その後は、お説教だ。 | |
男の子 | (後ろに下がっていると、誰かにぶつかる) |
魔理沙 | おっと悪い・・・・・・って、慧音? なんだよ、そんな怖い顔して・・・・・・。 |
・・・・・・な~るほど、遊んでるんだな? なら、私も付き合うぜ! | |
さあ、ホウキと慧音、どっちが速いかな? とばすぜー! | |
慧音 | あっ、待て! ・・・・・・ったく、捕まえたら、アイツは弾幕地獄だ! |
(魔理沙たちを追いかける) | |
夕方 | |
慧音 | け、結局、一日中オニごっこしてしまった・・・・・・。おのれ、魔理沙め・・・・・・! |
子供A | きみ、すごかったねー! 今日は、もうおうち帰る時間だけど、明日また遊ぼうね! |
魔理沙 | へえ~。じゃあ、私もまた来るかな。楽しかったぜ、チビ助。慧音の説教は任せた! |
(ホウキに乗って行ってしまう) | |
慧音 | はぁ・・・・・・。そう構えるな。もう怒らないよ。それより、もう日が暮れる。お前も家に帰れ。 |
男の子 | ぼくは・・・・・・、おうちないから・・・・・・。 |
慧音 | ・・・・・・どういうことだ? お前、やはり里の子じゃないのか? |
男の子 | うん。あのね・・・・・・、 |
(事情を話す) | |
・・・・・・だからぼく、帰れないんだ。 | |
慧音 | そうか・・・・・・。まあなんだ。寺子屋も、夜は空き部屋が多い。 |
今日のところは、ここに泊まったらいいさ。待ってろ。いま布団をもってきてやるから・・・・・・。 | |
霊夢 | その子を渡して、慧音。 |
慧音 | 博麗霊夢・・・・・・? なんだ、藪から棒に。 |
霊夢 | もうわかってるんでしょ? その子は、人妖。博麗の巫女として、その存在は見過ごせないわ。 |
慧音 | ・・・・・・本気なんだな? |
(子供を連れてて寺子屋から出ていく) | |
そう・・・・・・。私と戦うのね、慧音。 |
キャラ | セリフ |
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里の外れ | |
霊夢 | (慧音に追いつく) |
霊夢 | ・・・・・・あの子は? |
慧音 | 隠したよ。そうでもしなきゃ、問答無用で殺すつもりだったろ。 |
霊夢 | 当然でしょ。人妖・・・・・・、人が妖怪に転じることは、幻想郷で一番の大罪なんだから。 |
慧音 | 理由くらい聞いたっていいだろ。あの子は、自分の意志で妖怪になったんじゃない。 |
慧音 | 話を聞くに、あの子は遥か昔の生まれ。父親は、研究欲に憑かれた魔法使いだった。 |
どんな術を編んでいたのか、詳しくはわからない。だがとにかく、あの子は実験材料にされた。 | |
術を掛けられ、里の外れに封印されて幾星霜。そして、ようやく目覚めたのが、今日なんだ。 | |
霊夢 | ・・・・・・だから、見逃せ。そう言いたいの? |
生い立ちなんて、どうでもいいわ。私はただ、博麗の巫女として役目を果たすだけ。 | |
慧音 | はっ・・・・・・。その巫女様っていうのは、よほど人の心ってもんを知らないみたいだな。 |
なら、相手になってやる。あの子には、指一本触れさせない! | |
(弾幕の音) | |
霊夢 | くっ・・・・・・! 子を守る獣は恐ろしいっていうけど、本当ね。 |
慧音 | まだ続けるつもりか? これ以上やるなら、どちらかが死ぬまで終わらないぞ。 |
男の子 | うぅ・・・・・・。せ、せん・・・せぇ・・・・・・。 |
慧音 | おい、隠れてろと言ったろ? ・・・・・・どうした? ひどい顔色だ。 |
男の子 | う・・・・・・うぅ・・・・・・ああああああああ!! |
慧音 | なっ・・・・・・!? これは、身体が変容して・・・・・・? 何が起きてるんだ!? |
霊夢 | ・・・・・・その子にかけられた術っていうのは、どうやら不完全だったみたいね。 |
こうなってしまったら、もう・・・・・・。私の手は必要ないわね。帰るわ。 | |
霊夢 | (その場を去る) |
男の子 | う、うぅ・・・・・・っ。 |
慧音 | おい、しっかりしろ。そうだ、永遠亭に行こう。月の薬師の技術なら、お前もきっと・・・・・・。 |
男の子 | もう、いいよ。たのしかった・・・から・・・・・・。 |
ぼく、友だちと遊んだこと、なかったんだ。こうやって、抱きしめてもらったことも・・・・・・。 | |
(笑って)ーーありがと、せんせい。 | |
慧音 | (息を引き取った男の子を見て、悲しむ) |
翌日 寺子屋にて | |
子供 | せんせー、おはようございまーす! 今日も、オニごっこしますかー? |
魔理沙 | よう。私も遊びにきたぜ。・・・・・・ん? 昨日のチビ助がいないな? |
慧音 | あの子は・・・・・・、 |
旅の途中で、一日ここを寄っただけだったんだ。お前たちに、遊んでくれた礼を言っていたよ。 | |
子供 | え~、そうなの? また遊びたかったな~。 |
慧音 | ・・・・・・本当にな。授業の準備をするから、みんなは先に行ってなさい。 |
里の外れ | |
霊夢 | (石の前にかがんで手を合わせている) |
慧音 | ・・・・・・おい。そこは、あの子の墓だが? |
霊夢 | 花くらい供えたっていいでしょ。それより、魔理沙たちがあの子の話をしているのを聞いたわ。 |
あの子のこと、無かったことにしなかったのね。 | |
慧音 | ずっと忘れないでいる。生者が死者に贈れる手向けは、それだけだからな・・・・・・。 |
霊夢 | (真剣に慧音の話を聞いている。心に感じるものがあるようだ) |